営業の定義
お客様の利益を支援し、正当な対価をいただく仕事
営業は、お客様との接点を持つ重要職種
営業職に従事するにあたって、まず営業の理論や基本を学ぶことが成果につながると考えています。
そのためには前提として、「営業とは何をする仕事か」という「営業の定義」を明確化しておく必要があります。
定義をしっかりと理解していなければ、営業という行為そのものが曖昧になり、効率性を欠いて思うような成果につながらないからです。
私は、営業を次のように定義しています。
営業の定義
営業とは、「お客様」の「利益」を支援し、その「正当な対価」をいただく仕事のことです。
営業という仕事は、「①お客様」「②利益」「③正当な対価」の3つの要素に分解できます。
お客様
対象者(=お客様)は、営業パーソンが提供する価値(商品、サービスなど)を評価し、「正当な対価」を支払ってくれる人です。営業パーソンは、自社で扱う商品・サービスを「欲している人」は誰かを考えなければなりません。
すべての消費者がお客様になりうるわけではなく、たとえば、輸入車を扱う自動車ディーラーであれば、お客様は「輸入車の購入を検討している人」です。
「輸入車の購入を考えていない人(国産車の購入しか考えていない人)」は、基本的に対象外です。
利益
利益とは、お客様が「求めているもの」「得たいと思っている結果」です。
お客様の利益には「レベル感」があります。
営業パーソンは、お客様のレベルに合わせて、提案のしかたを変えなければなりません。
たとえば、「車がほしい」という方がいたとき、「どんな車がほしいのか」には、レベル感があります。
「高級輸入車がほしい人」と「国産軽自動車がほしい人」では、レベル感は違います。営業パーソンは、「自分が売りたい商品・サービス」を提案するのではなく、お客様が求める利益のレベルに見合った提案をするのが仕事です。
営業パーソンは、自社の商品やサービスを売り込む存在ではありません。
お客様の課題を引き出し、それを解決するための方法を一緒に考えるパートナーです。
営業で大事なことは、「お客様の利益」を探って、購買行動を起こさせることです。
そのためには、営業として信頼されるには、お客様のニーズや課題を引き出し、それを解決することで得られるメリット(=相手が得られる利益)を相手に明確に伝える必要があります。
正当な対価
正当な対価とは、提供する価値に対する「適切な報酬」のことです。
営業活動では、シェア確保やノルマ達成のために、安易な値引きをすることがあります。しかし「正当な対価」を受け取らなければ、会社に残るはずの利益(粗利益)がこぼれ落ちてしまいます。
提案から納品、報酬(正当な対価)の受け取りまでが営業の仕事です。
営業活動を的確に、明確に行なうためには、「お客様とは誰か」「利益とは何か」「正当な対価とは何か(対価を正しく回収できているか)」を知ることが大切です。
一般的に、営業活動とは、「お客様を説得したり、お客様と交渉したりすること」、つまり「売り込むこと」だと思われがちです。
しかし、営業活動でもっとも重要なのは、「お客様を探し出し、そのお客様の『利益』(何を求めているのか、どのような課題を解決したいと思っているのか)を見つけ出すプロセス」なのです。