親の介護に尽くしてきたことを考慮してもらうにはどうすればよいでしょうか?
はじめに
親の介護を長年続けてきたものの、相続の際にその貢献が正当に評価されるのか不安を感じる方は少なくありません。
特に、遠方に住む兄弟が介護に関わらず、財産分割の場面では平等に分けようと主張するケースは多く見られます。
今回は、介護をした相続人がその貢献を正当に評価してもらう方法について、**「寄与分」「特別寄与料」「相続対策」**の3つの観点から解説します。
1. 介護による寄与分は認められるのか?
1-1. 寄与分とは?
寄与分とは、被相続人の財産維持や増加に特別な貢献をした相続人に対し、通常の相続分とは別に考慮される制度です。
例えば、以下のようなケースが該当します。
✅ 被相続人の事業を支え、財産の維持・増加に貢献した
✅ 被相続人の介護を行い、介護費用の支出を抑えた
ただし、寄与分が認められるためには**「特別な貢献」**であることが求められます。
1-2. 介護による寄与分のハードル
介護は、法律上「親族として当然の行為」とみなされることが多いため、寄与分として認められるハードルは高くなっています。
特に以下のような場合には、寄与分としての主張が難しくなります。
❌ 介護をしていたのが相続人の配偶者(例:嫁・婿)の場合
❌ 介護が短期間であり、断続的だった場合
❌ 介護に対して報酬や生活費を受け取っていた場合
とはいえ、長期間にわたり無償で専従的に介護を続けた場合には、寄与分が認められることもあります。
1-3. 寄与分が認められた裁判例
大阪家庭裁判所(平成19年2月26日審判)
- 相続人による介護が「特別の寄与」に該当すると判断
- 遺産総額の3.2%(750万円)が寄与分として認められた
大阪家庭裁判所(平成19年2月8日審判)
- 認知症の被相続人に対し、常時の見守りと介護を行った相続人の寄与分を1日8,000円と評価
- 3年間の介護に対し、876万円の寄与分を認定
2. 相続人以外の介護貢献はどう扱われるのか?
2-1. 特別寄与料とは?
従来の寄与分制度では、相続人以外の貢献が評価されにくい状況でした。
そこで、2019年の相続法改正により「特別寄与料」制度が創設されました。
特別寄与料とは?
✅ 相続人以外(例:嫁・婿)による財産的貢献を評価する制度
✅ 相続人に対して金銭請求が可能
✅ 相続開始後6か月以内に請求する必要あり
2-2. 特別寄与料が認められるポイント
特別寄与料が認められるためには、**「相続財産の減少を防ぐ特別な貢献」**が求められます。
✅ 認められやすい例
- 介護費用を相続人以外が負担した
- 長期間にわたり、無償で介護を続けた
- 介護がなければ高額な施設入所が必要だった
❌ 認められにくい例
- 被相続人から生活費や報酬を受け取っていた
- 断続的な介護で、特別な貢献とは言えない場合
3. 介護の貢献を相続で考慮してもらうために
3-1. 被相続人ができる対策
最も確実な方法は、被相続人が生前に対策をしておくことです。
遺言書の作成
被相続人が、介護をしてくれた相続人やその配偶者に多めの遺産を分ける旨を記載しておくことで、トラブルを回避できます。
生命保険の活用
介護を担った相続人や配偶者を受取人とする生命保険を契約することで、確実に財産を残せます。
養子縁組の検討
介護をしたのが相続人の配偶者(例:嫁・婿)の場合、養子縁組をすれば正式な相続人となり、寄与分の主張が可能になります。
3-2. 介護の貢献を証明するために
証拠を残すことが重要です。以下のような方法で、介護の事実を記録しましょう。
✅ 介護日誌の作成(介護の頻度・内容を記録)
✅ レシートや領収書の保存(医療費・消耗品の支出記録)
✅ 通院や入浴介助の具体的な時間をメモ
✅ 親族間での介護に関する合意書を作成
まとめ
親の介護を尽くしたとしても、相続時にその貢献が考慮されるとは限りません。
寄与分制度を活用する場合、**「特別な貢献」**が認められることが重要
相続人以外(嫁・婿)の貢献は、特別寄与料制度を活用できる
被相続人自身が生前に遺言書や保険で対策するのが最も確実
相続トラブルを防ぐためにも、早めの準備と証拠の記録を意識しましょう。
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