営業と販売の違い:求められる仕事内容の違いを理解しよう
営業と販売は、どちらも商品やサービスを「売る」ことが目的ですが、その仕事内容や求められるスキルには大きな違いがあります。
本記事では、「営業」と「販売」の違いを詳しく解説し、営業活動において成功するためのポイントについて考察します。
営業と販売の基本的な違い:「足を運ぶ」か「足を運んでもらう」か
まず、「営業」と「販売」の基本的な違いは、誰が「足を運ぶ」かにあります。
営業とは、営業パーソンが自らお客様の元へ足を運び、製品やサービスを紹介して売る行為を指します。一方、販売は、お客様が店舗に足を運び、スタッフが商品やサービスを紹介して販売することを指します。
営業は広義には営利を目的とした業務全般を指しますが、販売と比較すると、より自発的な行動が求められる職種と言えます。
例えば、新築分譲のマンションや戸建住宅の販売では、反響営業(問い合わせに対応する営業スタイル)と足を運ぶ営業行為が組み合わされることが一般的です。
逆に、一般消費財を扱う販売スタイルは、BtoC(企業から消費者への販売)に多く見られますが、BtoB(企業間取引)においては、営業が一般的であり、販売スタイルはほとんど採用されません。
購買行動の段階的プロセスと営業・販売の違い
消費者の購買行動には、段階的なプロセスが存在します。
このプロセスは「AIDMAモデル」と呼ばれ、以下のように説明されます。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
お客様が自ら足を運ぶ「販売」の場合、すでに商品やサービスに対して関心や欲求があることが多いため、購買に至るまでのプロセスは短いです。
例えば、美容院に来店するお客様は、すでに「Action(行動)」に至っているケースがほとんどです。
一方、営業パーソンが足を運ぶ「営業」の場合、新規顧客に対しては「Attention(注意)」の段階から始める必要があります。
お客様との信頼関係を築き、自社や商品の認知を促すプロセスが不可欠です。このように、営業活動には時間がかかることが多く、関係構築のプロセスが非常に重要となります。
営業活動の難しさ:長いリードタイムと複雑なプロセス
営業と販売の大きな違いは、営業活動にはより長いリードタイムと複雑なプロセスが伴う点です。
特に、BtoB営業では、個人ではなく組織が相手となるため、商談の進行には多くのステークホルダーが関与し、意思決定までに時間がかかることが一般的です。
そのため、営業パーソンは、相手の組織全体を理解し、各部門のニーズや懸念事項に対応するスキルが求められます。
また、長期的な視点で関係を維持しながら、信頼を築いていくことが不可欠です。
過去に優秀な販売員が営業活動に挑戦したものの、成果を出せなかったというケースもあります。
これは、販売と営業が求めるスキルセットやプロセスが異なるためです。営業と販売の違いを理解し、それぞれに適したアプローチを取ることが重要です。