融資が厳しい中でも金融機関を味方にする方法
金融機関からの融資を受けるためには、単に不動産投資の魅力を伝えるだけでは不十分です。
特に近年、融資基準が厳しくなっている中で、金融機関を味方につけるには、どのようなアプローチが有効なのでしょうか。
本記事では、その方法について詳しく解説します。
金融機関は投機に融資しない
よく「金融機関は投資に融資しない」と耳にしますが、ここでいう「投資」は実際には「投機」を指しています。
企業が設備投資のために融資を受けるのとは異なり、個人が「収入を増やすために不動産投資をしたい」という理由では、融資を受けることは難しいでしょう。
そのため、金融機関に対しては、「不動産賃貸業に取り組んでいます。新たな物件を取得して、事業を拡大したい」といった、事業としての取り組み姿勢を明確に伝えることが重要です。
金融機関は、収益を上げるだけの「投機」ではなく、安定した事業計画に基づく「投資」にこそ、信頼を寄せます。
「誰の何に貢献するのか」をアピール
金融機関を味方にするためのもう一つのポイントは、事業が「誰の何に貢献するのか」を具体的にアピールすることです。
たとえば、ファミリー向け物件であれば、「地域の子育て世代に良好な住環境を提供し、地域の活性化に貢献する」といった目的を明確に伝えることが効果的です。
特に地域密着型の金融機関は、「地域貢献」を重視しています。ある信用組合の担当者は「私たちは営利企業ではありません。この地域のお役に立つことが私たちの使命です」と述べています。
こうした価値観に共感し、同じ方向性を持って事業に取り組んでいる姿勢を示すことで、金融機関との信頼関係が築けるでしょう。
『私の会社では、賃貸不動産の売却情報の収集と収支分析を自動で行うシステムを開発しています。不動産業界で問題となっている「不動産購入者のリテラシーと情報の不足」を解決するため、このシステムを提供しています。』
このように、金融機関には「誰にどのように貢献するのか」を具体的に伝えることが重要です。
金融機関があなたと取引する理由を作る
金融機関は、取引を開始するにあたって、「なぜこの人(企業)は当行で取引を開始したのか」という経緯を非常に重視します。
特に、初めての取引では、「取引開始の理由」をしっかりと伝えることが必要です。
例えば、「定期積立を行う」「公共料金の支払いを毎月窓口で行う」といった小さな取引でも、金融機関にとっては重要な情報です。
これらの行動を通じて、金融機関の担当者に会社名を覚えてもらうことが、長期的な信頼関係の構築につながります。
金融機関は常に新規取引先を探していますが、完全に未知の企業よりも、すでに顔を覚えている企業と取引を始める方がリスクが少ないと考えます。
特に最近では、不正融資問題の影響で、金融機関も取引先を慎重に選んでいます。そのため、信頼関係を築くための工夫が一層重要になっています。
しっかりした収支計画書を作る
これまでは、不動産業者から提供された物件資料と個人の属性情報だけで融資が行われることが一般的でした。
しかし、現在は物件と債務者の両面から事業性を評価する傾向が強まっています。
これを逆手に取り、不動産賃貸業としてのしっかりとした事業計画書を作成することは、金融機関からの評価を得る上で非常に効果的です。
不動産投資は収支を予測しやすい事業ですので、詳細な収支計画を作成することで、金融機関から事業者としての信頼を得ることができます。
最後に、収支計算の重要性についても触れ、融資審査や投資判断に役立つポイントを紹介していきます。
しっかりとした収支計画書を作成し、金融機関を味方につけることで、厳しい融資環境でも成功への道が開けるでしょう。
まとめ
このように、金融機関からの融資を成功させるためには、単なる「投機」ではなく、事業としての取り組みを明確にし、地域貢献や信頼関係の構築を重視する姿勢が重要です。
また、詳細な収支計画書を用意することで、金融機関からの評価を高めることができます。
融資環境が厳しい今だからこそ、これらのポイントを押さえて金融機関を味方にしましょう。