不動産の価格に関する諸原則
不動産鑑定評価基準とは
不動産の価格は、不動産の効用、相対的稀少性、そして有効需要に影響を与える諸要因の相互作用によって形成されます。
この価格形成の過程は、不動産の鑑定評価において非常に重要です。
鑑定評価の本質は、その不動産の価格形成過程を追求し、分析することです。
そのため、価格の形成に関する基本的な法則性を認識し、具体的に現れた原則を活用することが求められます。
これらの原則は、一般の経済法則に基づいていますが、鑑定評価の観点から特別に認識され、表現されています。
不動産の価格に影響する主な諸原則
需要と供給の原則
不動産の価格は、需要と供給の相互関係によって決定されます。
不動産は他の財と異なる特性を持つため、その需要と供給には自然的特性や人文的特性が反映されます。
例えば、土地は供給が限定されており、価格の変動に対する弾力性が小さいことが特徴です。
変動の原則
不動産の価格は、価格形成要因の相互因果関係の組み合わせにより、常に変動しています。
鑑定評価を行う際には、これらの要因間の相互因果関係を動的に把握し、価格形成の過程を分析することが必要です。
代替の原則
代替性を有する財が複数存在する場合、その価格は相互に影響し合います。
不動産も代替可能な他の不動産や財の価格と関連して価格が形成されます。
特に、用途の多様性による代替関係は、不動産の効用の総合的な比較に基づいて成立します。
最有効使用の原則
不動産の価格は、その不動産の効用が最大限に発揮される可能性のある使用(最有効使用)を基準に形成されます。
この使用は現実の社会経済情勢の下で合理的かつ合法的な最高最善の方法によるものです。
不動産鑑定士の役割
これらの原則を基にして、不動産の経済価値に関する最終判断に到達することが求められます。
これにより、単なる推測に留まらず、理論に基づいた客観的な判断として成り立ちます。