不動産登記の効力とは?
不動産取引において重要な役割を果たす「登記」について、対抗力と公信力という2つのポイントを簡単に解説します。
不動産の売買や賃貸、管理に関心のある方にとって知っておきたい基礎知識です。
不動産登記と対抗力
不動産の登記は、その不動産が誰の所有であるかを第三者に示すための重要な手段です。この効力を「対抗力」と呼びます。
例えば、AさんがBさんとCさんに同じ不動産を売却したとします。
この場合、Bさんが先に購入していたとしても、所有権移転登記を行っていなければ、Cさんに対して自らの権利を主張することはできません。
逆に、CさんがBさんよりも早く登記を行った場合、Cさんが正当な所有者として第三者に対してその権利を主張することが可能です。
このように、登記の有無が所有権の対抗において大きな影響を与えるのです。
不動産登記と公信力
一方で、日本の不動産登記制度には「公信力」がありません。
これは、法務局が登記の申請内容について形式的な審査のみを行うためです。
その結果、場合によっては詐欺や脅迫によって不正に申請された登記が成立してしまうことがあります。
公信力がないということは、不正な登記を信じて取引を行った第三者が、その取引によって権利を取得できない可能性があるということです。
つまり、不動産取引を行う際には、登記内容の正確性を自分で確認する責任が求められるのです。
不動産取引における注意点
不動産取引では、売買や賃貸、管理などの場面で登記が持つ効力を十分に理解し、適切に活用することが大切です。
登記は所有者としての権利を守るだけでなく、信頼できる取引の実現にも寄与します。