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判例:越境と接道の調査説明義務

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判例:越境と接道の調査説明義務

カテゴリ:ノウハウ記事



越境と接道の調査説明義務




はじめに


不動産取引において、売主や仲介業者は物件の状況を正確に把握し、買主に適切な情報を提供する義務があります。


特に、土地が公道に接道しているかどうか、隣地に越境しているかどうかは、買主の意思決定に大きく影響する重要なポイントです。


本記事では、ある判例を通じて、売主や仲介業者がこれらの事項を正確に調査し、説明する義務について解説します。





事案の概要


平成22年12月1日、買主Xは売主Y(宅建業者)から土地と店舗付共同住宅を購入しました。


契約価格は8500万円で、売買契約には仲介業者Zが関与していました。


売主Yと仲介業者Zは、売買契約の際に、土地が公道に接しており、建物が隣地に越境していないと説明しましたが、実際にはこの土地は公道に接しておらず、建物も隣地に越境していることが後に判明しました。


この事実が明らかになったのは、平成26年12月に国有地との境界を確定するための測量作業を行った際です。


結果として、Xは国有地を買い取ることになり、追加費用が発生しました。


Xは、この損害を理由にYとZに対して損害賠償を求めて訴訟を提起しました。





裁判所の判断


裁判所は、売主Yおよび仲介業者Zに対して、越境の可能性を認識し、それに基づいて調査と説明を行うべき義務があったと判断しました。


判決では、「売買契約時において、専門業者であるYらは、公図上で確認できる国有地が公道ではなく、越境の可能性があることを疑うべきであった」とし、Yらが調査を怠ったことが明らかだとされました。


そのため、Yらには調査・説明義務違反による損害賠償責任が認められました。





解説


本判例は、売主および仲介業者が土地の境界や越境に関する調査・説明義務を怠った場合に、重い責任を負うことを示しています。


特に、土地が公道に接道していないことや、建物が隣地に越境している場合には、これを見落とすことなく、適切な調査を行い、買主に正確な情報を提供することが求められます。






結論


この判例は、売主や仲介業者が土地や建物に関する重要な情報を見落とした場合、その結果として生じる損害に対して責任を負うことを強調しています。


不動産取引においては、買主に対して正確で詳細な情報を提供し、信頼性の高い取引を実現することが不可欠です。


物件の調査や説明を怠ることなく、確実に行うことが、トラブルを未然に防ぐための鍵となります。



これにより、売主や仲介業者が越境や接道に関する調査・説明義務を怠った場合の責任が明確に示されました。


不動産業者として、このような義務を果たすことの重要性を改めて認識し、信頼される取引を提供することが求められます。


判例:暴利行為として公序良俗違反とされた売買契約

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