賃貸経営に必須となるコスト
賃貸経営をしていく上で、各費用項目を正しく把握することは、収支計算の精度を高めるために非常に重要です。
この記事では、賃貸経営における主な費用項目とその理解の仕方について解説します。
1. 空室損失
空室損失とは、満室想定収入から空室率を考慮して控除する損失相当額です。
賃貸物件では退去が発生し、その間の家賃収入が失われるため、空室損失が発生します。
空室損失を正確に見積もることは、現実的な収支計画を立てるために不可欠です。
空室率を把握するための方法には、インターネットでの調査、過去の履歴の確認、現地調査などがあります。
例えば、インターネットで「市区町村名 空室率」で検索することで、地域の空室率の平均値を知ることができます。
2. 賃貸管理費
賃貸管理費は、入居者対応や賃貸借契約に関する業務を管理会社に委託する際に発生する費用です。
賃貸管理費の相場は賃料収入の3%〜5%程度です。物件取得を検討する際には、このコストを見込んで収支計画を立てると良いでしょう。
賃貸管理費の計算式は次の通りです。
賃貸管理費 = 満室想定賃料収入 × (1 - 空室率) × 賃貸管理費料率
3. 建物管理費
建物管理費は、建物の維持管理やメンテナンスにかかる費用であり、賃貸管理費とは別物です。
主に機械設備の点検や共用部の清掃などにかかる費用です。建物管理費の算定には、過去の実績値や見積もりを基にする方法があります。
4. 水道光熱費
共用部で使用される電気代や水道代などが水道光熱費として計上されます。
実績値が分からない場合は、次の計算式で概算を求めます。
水道光熱費 = 延床面積の坪数 × 坪単価 × 12ヶ月
坪単価の目安は、50円から100円程度です。
5. 損害保険料
損害保険料は、物件のリスク管理のために加入する保険料です。
火災保険や地震保険など、物件の特性に応じて適切な保険に加入する必要があります。
6. 租税公課
租税公課は、固定資産税や都市計画税など、物件所有に伴う税金です。
これらの税金は、物件の所在地や評価額によって異なります。
7. 修繕費
修繕費は、物件の維持や原状回復のために必要な費用です。
定期的なメンテナンスや退去後の原状回復が含まれます。
8. 原状回復費
原状回復費とは、入居者の退去後に物件を次の入居者に引き渡すための費用です。
この費用は、退去者の使用状況に応じて変動します。
9. 募集経費
募集経費は、新たな入居者を募集するための費用です。
広告費や仲介手数料が含まれます。
10. その他費用
その他費用には、上記に含まれない雑費や不測の事態に備えるための予備費などが含まれます。