「待ちの営業」と「攻めの営業」
~「引き合い対応」に依存すると営業力が落ちる理由~
営業活動には、「引き合い対応」と「攻めの営業」の2種類のアプローチがあります。
この記事では、引き合いに依存することで生じる問題点と、積極的な営業の重要性について解説します。
特に、不動産売買・賃貸・管理・事業用物件の営業に携わる方には必見の内容です。
引き合い対応とは何か?
「引き合い対応」とは、お客様からの問い合わせや打診に対応する営業のことです。
例えば、「他社にはない技術力がある」「歴史が長い」など、差別化された商品やサービスを持つ企業は、お客様から声がかかりやすい状況にあります。
そのため、営業パーソンが積極的にセールスを行わなくても、問い合わせが自然に入ってくることがあります。
しかし、この「引き合い」に依存する営業手法は、営業パーソンの成長を妨げる可能性があります。
引き合いを待つことで「攻める力」を育てる機会を失い、「売上目標が達成できないのは商品やサービスが原因だ」と外部に責任を転嫁しがちになります。
これが売上低迷の一因になることも少なくありません。
攻めの営業の重要性
一方、「攻めの営業」は、営業パーソン自らがお客様を探し出し、関係を構築するプロセスです。
商品力で差別化できない場合、積極的に営業活動を行わなければ売上は見込めません。
攻めの営業では、お客様がどこにいて、何を求めているのかを迅速かつ正確に把握し、新しい顧客に対しても積極的にアプローチを行います。
これにより、信頼関係を築き、取引の可能性を広げることが可能となります。
「種まき」と「水まき」の営業スタイル
攻めの営業は、「種まき」と「水まき」に例えられます。
- 種まき: 未来の顧客を探し出し、最初の接触を行う活動です。
- 水まき: 一度接触した顧客に対し、定期的にフォローアップを行うことです。
重要なのは、種をまいたら繰り返し水をまき続けること。
提案や売り込みを急がず、まずは「単純接触」を続けることで、違和感なく会話できる関係性を築くことが目標です。
引き合いに依存しない営業戦略
2014年の消費税引き上げ時には、高額商品の駆け込み需要が発生し、多くの企業が「引き合い対応」に専念しました。
しかし、このような一時的な需要に依存する営業手法では、反動減に苦しむことが予測されます。
長期的な視点で「攻めの営業」を続けることが、安定した経営の鍵となります。
営業パーソンは、短期的な売上だけにとらわれず、将来の顧客に目を向ける必要があります。
営業にはマインドが大切です。
感情のコントロールと「重要・緊急マトリクス」を意識し、常に攻めの姿勢を保ちましょう。
これが営業活動における成功の秘訣です。