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寄与分のあらましと仕組み

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寄与分のあらましと仕組み

カテゴリ:ノウハウ記事



寄与分のあらましと仕組み




相続が発生する際、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産の維持や増加に貢献した場合、その貢献分を「寄与分」として認められることがあります。


この寄与分が認められると、相続財産からその分を差し引いた額が、他の相続人たちで分配されるため、貢献した相続人は特別に多くの財産を取得できる可能性があります。


しかし、寄与分が認められるためには、いくつかの要件があり、それを証明することも簡単ではありません。


本記事では、この「寄与分」についての基本的な仕組みとその成り立ち、具体的な要件について詳しく解説します。






1. 寄与分制度の成り立ち


寄与分の制度は、昭和55年の民法改正によって導入されました。


特別受益の制度が、被相続人から生前に財産を受け取った相続人の相続分を調整するのに対し、相続財産の維持・増加に尽力した相続人の貢献を考慮しないのは不公平だとの観点から設けられたものです。


実際に寄与分を決めるには、相続人全員の話し合いが必要です。もし話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所での調停や審判に頼ることになります。







2. 寄与分の要件


寄与分が認められるためには、次の要件を満たす必要があります。


  • (1) 寄与の種類 相続人が被相続人の事業に関わる労務を提供したり、財産上のサポートを行ったり、療養看護を行った場合です。これにより、被相続人の財産が維持されたり、増加したことが条件となります。


  • (2) 特別な寄与 寄与分が認められるためには、通常の扶養や介護といった行為を超えた「特別な寄与」が必要です。単に家族の一員として面倒を見た程度では、寄与分を主張するのは難しいでしょう。


実際に、寄与分が認められるケースは少なく、家庭裁判所の審判例でも1割以下です。


このため、寄与分の存在を主張する際には、具体的な証拠や金銭的な利益の算定が求められます。






3. 遺言と寄与分


寄与分の制度は相続が発生した後の財産分割の修正手段であり、認められるには難しい要件があります。


したがって、生前に被相続人が感謝の意を込めて贈与を行ったり、遺言を作成することで、寄与に対する報酬を確実にすることが一つの対策となります。





まとめ 


寄与分制度は相続人の貢献を正当に評価するための仕組みですが、その要件は厳しく、認められるには多くの準備が必要です。


相続に関するお悩みや相談がある場合は、専門家に早めに相談することをお勧めします。



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竹村 光平

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