夫が急死した場合の妻はどうすればよいでしょうか?
夫が急逝した場合の相続と住居の問題について
突然の配偶者の死は、精神的な負担だけでなく、法律的・経済的な問題も伴います。
特に遺言がない場合、相続や住居の確保についてどのような対応が必要になるのか、整理しておくことが重要です。
今回は、以下の3つのポイントを中心に解説します。
- 遺言がない場合は法定相続となるため、遺産分割協議が必要
- 配偶者の短期居住権により、自宅の居住継続が可能
- 配偶者への居住用不動産の贈与は、持戻し免除の推定を受けることができる
1. 遺言がない場合の法定相続と遺産分割
配偶者が急死し、遺言がない場合、相続財産は法定相続人の間で法定相続分に基づいて分割されます。
一般的なケースでは、以下のようになります。
- 配偶者と子供がいる場合:配偶者が1/2、子供が残りの1/2を分け合う
- 配偶者と被相続人の両親がいる場合:配偶者が2/3、両親が1/3を分け合う
- 配偶者と被相続人の兄弟姉妹がいる場合:配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4を分け合う
このとき、不動産や預貯金などの分配について相続人全員の合意が必要です。
話し合いが難航した場合、家庭裁判所で「遺産分割調停」を行い、それでも合意できなければ「遺産分割審判」によって最終決定されます。
相続人間で関係が良好でない場合、手続きが長引く可能性があります。
相続税の申告期限(10ヶ月以内)を考慮し、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
2. 配偶者の短期居住権による自宅の確保
令和2年4月1日から施行された相続法改正により、「配偶者の短期居住権」が新設されました。
これは、遺産分割が完了するまでの間、配偶者が無償で自宅に住み続けることができる権利です。
以前は、相続が発生すると家が法定相続人の共有財産となるため、他の相続人から家賃の請求を受けることがありました。
しかし、改正後は一定期間の間、家賃を支払うことなく住み続けられるため、突然の相続に直面した際の負担が軽減されます。
具体的なポイント
- 短期居住権の期間:相続開始後、最低でも6ヶ月間は無償で住むことが可能
- 対象となる住宅:被相続人(亡くなった夫)が所有し、配偶者が無償で住んでいた家
- 手続きの必要なし:短期居住権は自動的に発生する
この制度により、夫が亡くなった場合でも、すぐに住む場所を失うことはないので安心できます。
3. 配偶者への居住用不動産の贈与と持戻し免除
多くの夫婦では、配偶者控除を活用して居住用不動産を贈与することがあります。
しかし、相続の際に「特別受益」とみなされ、遺産分割時に不利になるケースがありました。
平成30年の相続法改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦間で贈与された居住用不動産については、特別受益の持戻し免除の推定が適用されることになりました。
これにより、配偶者が生前に贈与を受けた住宅を相続財産として計算せずに済み、子供たちとの遺産分割の際のトラブルを回避しやすくなります。
例えば、相談者のように夫から自宅を贈与されていた場合、すでに取得している自宅を相続財産として計算しなくてもよいため、遺産分割の際の交渉がスムーズに進む可能性があります。
この制度のポイント
✅ 適用条件:婚姻期間20年以上の夫婦間の贈与であること
✅ 税制面の優遇:最大2,000万円まで贈与税の配偶者控除を適用可能
✅ 遺産分割時の影響:贈与済みの居住用不動産を遺産としてカウントしない
この制度を利用すれば、夫が亡くなった後も、子供たちとの相続トラブルを減らしながら住み慣れた自宅で安心して暮らすことができます。
まとめ
夫の急死後の対応として、
✅ 遺言がない場合は法定相続となり、遺産分割協議が必要
✅ 短期居住権により、一定期間自宅で暮らせる
✅ 配偶者控除と持戻し免除の制度を活用すると、相続トラブルを回避できる
これらを理解し、事前に準備しておくことで、万が一の際もスムーズに手続きを進めることができます。
相続について不安がある方は、専門家への相談をおすすめします!
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