店舗を改造してロフトを設置したことによる契約解除
はじめに
賃貸借契約では、借主が物件をどのように使用するかが重要なポイントとなります。
特に、無断での増改築は契約違反となり、場合によっては契約解除に至ることもあります。
本記事では、店舗の賃借人が無断でロフトを設置し、その結果として契約解除となった判例を紹介し、賃貸契約における注意点を解説します。
契約内容と賃借人の義務
賃貸借契約において、賃借人には原状回復義務や契約内容を遵守する義務があります。
特に、増改築に関しては、貸主の承諾を得ることが一般的な契約条項に含まれています。
本件でも、賃借人は契約に基づき、勝手な改造をしてはならない義務を負っていました。
無断増改築の法的リスク
無断での増改築には、以下のようなリスクがあります。
建築基準法違反:ロフトの設置が建築基準法に適合していない場合、是正を求められることがあります。
消防法違反:火災時の避難経路の確保が難しくなる場合、消防法に違反する可能性があります。
信頼関係の破壊:賃貸借契約は貸主と借主の信頼関係に基づいて成り立っています。
無断改造はこの信頼関係を著しく損なう行為とみなされる可能性があります。
裁判所の判断
本件では、賃借人が飲食店(ワインバー)として借りた物件に無断でロフトを設置し、その結果として契約解除に至りました。
裁判所は以下の点を考慮し、契約解除を認めました。
ロフトの設置が建築基準法に違反していた
貸主に事前に申告せず、虚偽の説明を行っていた
是正措置を講じる意思を示したが、実際には対応が遅れた
これらの要因が重なったことで、裁判所は「賃貸借契約における信頼関係が破壊された」と判断し、貸主による契約解除を有効としました。
事業用物件の賃貸契約で注意すべきポイント
賃貸借契約において、借主が注意すべきポイントを整理します。
契約書をよく確認する
増改築に関する条項をチェックし、貸主の承諾が必要かどうかを把握する。
改装前に必ず貸主に相談する
曖昧なまま工事を進めると、後に契約違反とされるリスクがある。
法令を遵守する
建築基準法や消防法に適合しているかを事前に確認する。
改装後の原状回復について合意を取る
退去時にどのような状態に戻す必要があるか、契約時点で明確にしておく。
まとめ
本記事では、賃借人が無断でロフトを設置し、結果として契約解除となった事例を紹介しました。
この判例は、賃貸借契約における信頼関係の重要性を示しており、特に事業用物件を借りる際には契約内容を十分に理解し、慎重に対応する必要があることを教えてくれます。
物件の改装を検討している場合は、必ず貸主と事前に相談し、必要な許可を得ることが大切です。契約違反によるトラブルを防ぎ、円満な賃貸借関係を築きましょう。
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物件探しのプロが見るポイント
株式会社コムハウス:竹村 光平
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管理費: 33,000円
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面積: 201.35㎡
築年数: 2007年2月
総階数: -階建
住所: 大阪府池田市井口堂3-1-7