特殊な状況における宅地の評価:貸宅地とは?
不動産を売買・賃貸・管理する上で、貸宅地の評価方法を理解することは非常に重要です。
特に、借地権や地上権が設定されている土地は、一般的な宅地とは異なる評価基準が適用されます。
本記事では、貸宅地の具体的な評価方法について詳しく解説します。
1. 貸宅地とは?
貸宅地とは、借地権または地上権の目的となっている宅地のことを指します。
一般的には、土地所有者(地主)が他者に土地を貸し、その上に借地人が建物を建てるケースが該当します。
2. 貸宅地の評価方法
貸宅地の評価額は、自用地(自由に使用できる宅地)としての価額から借地権の価額を差し引いて算出します。
計算式
借地権の価額 = 自用地としての価額 × 借地権割合
貸宅地の価額 = 自用地としての価額 × (1 - 借地権割合)
例えば、自用地としての価額が1億円、借地権割合が70%の場合、
借地権の価額 = 1億円 × 70% = 7,000万円
貸宅地の価額 = 1億円 × (1 - 0.7) = 3,000万円
ただし、地域ごとに定められた貸宅地割合が適用される場合もあり、その際は以下の式で評価します。
貸宅地の価額 = 自用地としての価額 × 貸宅地割合
また、借地権の取引慣行がない地域では、貸宅地の評価額は自用地の80%とされます。
3. 貸宅地の特殊なケース
① 使用貸借による貸宅地
使用貸借とは、地主が無償で土地を貸し付ける契約です。
この場合、借地権の価額は「0」となり、貸宅地の価額はそのまま自用地としての価額で評価されます。
ただし、昭和48年11月1日以前に開始された使用貸借には特例があります。
② 相当の地代を受け取っている場合
通常、借地権の設定時には権利金が支払われますが、これに代えて相当の地代を受け取る場合、借地権の価額は「0」となり、貸宅地の価額は自用地の80%で評価されます。
③ 一時使用のための借地権
建設現場やイベント会場など一時的な使用目的の借地権は、一般的な借地権とは異なり、雑種地の賃借権と同じ評価方法が適用されます。
④ 転借権(借地権の又貸し)
借地人がさらに第三者に土地を貸し付ける場合、転借権が発生します。
この場合の評価は、借地権の価額に借地権割合を掛けた金額になります。
転借権の価額 = 借地権の価額 × 借地権割合
例えば、
自用地の価額 = 1億円
借地権割合 = 70%
転借権の価額 = 1億円 × 70% × 70% = 4,900万円
4. 貸家建付地の評価
貸宅地の上に建物があり、それが賃貸されている場合、貸家建付地として評価されます。
計算式
貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
例えば、
自用地の価額 = 1億円
借地権割合 = 70%
借家権割合 =
30%
賃貸割合 = 100%
貸家建付地の価額 = 1億円 × (1 - 0.7 × 0.3 × 1) = 4,900万円
5. まとめ
貸宅地の評価にはさまざまな要因が影響します。借地権の種類や地代の収受状況、土地の利用形態によって評価方法が異なるため、適切な計算が必要です。
不動産の売却・購入を検討されている方や、土地の活用方法に悩んでいる方は、ぜひ専門家に相談してみてください。
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株式会社コムハウス:竹村 光平
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面積: 80.29㎡
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