相続税のあらまし
相続税とは何か?
相続税とは、故人(被相続人)から遺産を引き継いだ際に、その財産に課される税金のことです。
不動産を含む多くの財産が対象となり、受け継いだ人が課税義務を負うため、早い段階から対策をしておくことが大切です。
1. 相続税がかかる財産
相続税がかかる財産には、現金や預貯金、株式、土地、建物、事業用資産など、故人が所有していたあらゆる財産が含まれます。
これらの財産は、時価で評価されるため、適正な価額を把握する必要がありますが、正確な評価は難しい場合も多く、国税庁が定めた評価基準を参考にすることが一般的です。
2. 相続財産とみなされるもの
被相続人の財産ではない場合でも、以下のものは相続財産とみなされ、相続税がかかることがあります:
- 死亡保険金や退職金:被相続人の死亡に伴い支払われた保険金や退職金の一部。
- 生命保険契約の権利:契約者が被相続人以外でも、被相続人が保険料を負担していた場合。
- 年金等:被相続人が掛け金を負担していた年金なども対象となります。
3. 相続税がかからない財産
社会福祉や国民感情を考慮し、以下の財産には相続税はかかりません。
- 墓地や仏壇など:墓地や仏具など、祭祀に関わる財産。
- 生命保険金の非課税分:生命保険金のうち、一定金額(500万円×法定相続人の数)は非課税です。
- 公益目的で使用される財産:宗教法人や公益法人が取得し、公益のために使用する財産など。
4. 相続財産から控除できる債務
控除対象の借入金等
被相続人が負担していた借入金や未払金、未納の税金などは、相続財産の価額から控除可能です。
ただし、確定していない未払金や保証債務などは控除対象外です。
控除対象の葬式費用
葬式費用も控除できますが、含まれるのは埋葬や火葬にかかる費用、通夜の費用などです。
香典返しや法要の費用などは対象外なので、支払い時には注意が必要です。
5. 相続財産に加算される贈与財産
相続開始前の3年以内に被相続人から贈与された財産は、相続財産として扱われることが一般的です。
贈与税がすでに支払われている場合は相続税から控除できますが、控除しきれない部分は切り捨てられるため、専門家への相談も検討しましょう。
6. 基礎控除額と課税
相続税の基礎控除額は次の計算式で求められます:
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 基礎控除額
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、控除額は4,800万円となり、この額以下であれば相続税はかかりません。
相続人の人数によって控除額が変わるため、法定相続人の確認も重要なステップです。
相続税は相続人にとって大きな負担になることもありますが、正確な情報と適切な準備でスムーズに手続きを進められます。
専門家と相談しながら進めることで、財産評価や控除の利用を効果的に行うことが可能です。
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